はじめて人を雇ったらやること。手続きだけでも大変です

現在ひとりで事業をしているとしても、いずれ人を雇うときがくるかもしれません。

ひとりで自由に事業をしていた時とは違い、人を雇うと手続きが増え、そして責任も段違いに増すことになります。

はじめて人を雇ったときどんな手続きがあるのか、まとめてみました。


※事務所にて

 

目次

はじめて人を雇ったときにやること

年金事務所へ提出するもの

「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」
→自社の保険加入手続きになります。
ですので役員がすでに社会保険に加入しており、すでに同書類を提出済みの場合は不要となります。

「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」
→新しく雇った人の保険加入手続きになります。

労働基準監督署へ提出するもの

「労働保険関係成立届」
→自社自体の保険加入手続きになります。

ハローワークへ提出するもの

▷「雇用保険適用事業所設置届」
→人を雇っていることを届け出る手続きになります。

「労働保険 概算保険料申告書」
→年間の概算(見込まれる)保険料を申告し納付する手続きになります。

「雇用保険被保険者資格取得届」
→新しく雇った人の保険加入手続きになります。

※「雇用保険適用事業所設置届」提出時に、労働基準監督署に提出した「労働保険関係成立届の事業主控え」が必要となるため、加入手続きの順番としては『労働基準監督署』→『ハローワーク』の順番となります。

なお、雇用保険に加入しておかないと、従業員が退職する際の失業手当が支給されないため、いざこざを生まないように忘れずに加入をしておきましょう。

自社内でやること

労働者名簿の作成
→労働基準法第107条によって、作成、整備が義務づけられています。

労働条件通知の作成
→後々揉め事を起こさないためにも労働基準法上の労働条件を明示した通知を作成しましょう。

「給与所得者の扶養控除等の申告書」の回収
→扶養者の有無により給与から引かれる源泉所得税の額が変わってきます。忘れずに交付・回収をしましょう

 

雇ったあとにやることになること

年金事務所へ提出するもの

「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届」
→社会保険料の額を決定するため、年に1回提出することになります。

「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届」
→年の途中で給与が大幅に変更した場合などは社会保険料の額も変わるため、提出することになります。

「健康康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届」

→賞与を支給した場合に提出することになります。

「健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届総括表

→上記の賞与支払届とセットで提出することになります。

労働基準監督署へ提出するもの

「保険年度更新申告書」
→確定保険料ー概算支払い済保険料+次回分概算保険料の申告となります。

税務署へ提出するもの

「源泉徴収票」
→一定の要件に該当する従業員のみ提出することになります。

従業員が住む市区町村へ提出するもの

▷「給与支払報告書」
→基本的に全ての従業員の提出が必要となります。

自社内でやること

▷勤怠管理
→出勤簿やタイムカードなどで

▷給与計算、給与明細の交付、給与の振込み
→残業、各種諸手当の管理が必要となります。

▷賞与査定、賞与計算、賞与明細の交付、賞与の振込み
→支給時期や査定方法を考える必要があります。

▷昇給や昇給査定

▷年末調整、源泉徴収票の作成・交付

▷福利厚生
→健康診断など

▷経費精算など

 

まとめ

雇われているときは分からないのですが、いざ雇う側に立ってみると人を雇うことの大変さが分かります。

人を雇うことで楽になる部分もありますが、ひとりでは無かった作業や悩みも出てくることになります。

「作業が増えた=人雇う」と発想する前に、そもそも本当にその作業が必要なものなのか、その作業自体を減らせる方法はないのか、など考えてみても良いでしょう。

作業を減らそうと思ったのに別の苦労が増えて前より大変、ということにならないように上手く情報を収集しましょう。

 

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【編集後記】

森友文書問題で国会がまた紛糾しております。

文書が他にあるのか、忖度があったのか、政治家の存在は影響していたのか。

まあおそらくあったのでしょうが、そんなケースは昔からよくあることでしょう。

ただその問題に対し、毎日毎日政治家や財務省の事務次官レベルの(高給な)方々の時間を消費(浪費にならなければいいですが…)するよりも、その頭を日本の20年、30年、そして未来を見据えた研究や課題にもっと使って頂いた方が、よっぽど日本のためになるのではないでしょうか。

「働き方改革」もそうですが、20世紀における日本の経済成長の栄光を引きずっているのか、その延長線上での経済成長をいまだに目指しているようにも感じます。

20世紀とは全く違った産業構造になりつつあり21世紀。

そうした産業構造に対応すべく世界的に「雇用」の奪い合いが起きているにも関わらず、旧態依然とした「雇用者を守る」ことをいつまでも国が後押ししていたら、あっという間に取り残されてしまうでしょう。

それこそ、再び鎖国するしなくなってしまいます。

そんな中で起きている森友文書問題…。こんな騒ぎがいつまで続くのでしょうか…。

 

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この記事を書いた人

1978年9月 茨城県水戸市生まれ、埼玉県春日部市育ち。
東京都渋谷区在住。愛犬は5歳、娘3歳。
趣味は、野球(毎週土曜日・日曜日)、愛犬の散歩。

雇われない・雇わない生き方である「ひとり税理士」として活動しています。

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