所得税の『基礎控除』が48万円に⁉︎ まとまりつつある2018年度税制改正

「基礎控除が10万円増えます!」
「給与所得控除が10万円減ります!」

現在(2017/12/6現在)検討されている2018年度の税制改正案。

サラリーマンの方はモロに影響を受けますので、ざっくりとでも内容を理解しておく必要があります。

※長崎県の松翁軒(本店)より

 

目次

この改正で増税になるのは…

結論から申しますと「800万円を超える給料をもらってるサラリーマン」です。
※12/14公表の2018年度税制改正大綱により「850万円を超える給料をもらっているサラリーマン」になりました。(12/18加筆)

つまり、800万円以下の給料をもらっているサラリーマンの方は税金に関する影響はありません。

税金の計算上、サラリーマンの給料から引きことができる「給与所得控除」。

現在では、年収800万円の場合は200万円、年収2,500万円の場合は220万円を「給与所得控除」として給料から差し引くことが出来ます。

が、2018年度の改正案では、年収800万円の場合は190万円(年収2,400万円まで一律190万円)、年収2,500万円の場合はゼロになり、控除額190万円は年収2,500万円でゼロになるように年収2,400万円から段階的に減額されていきます。

この場合の所得税額の影響は、800万円の場合は2万円の増税(※)に、2,500万円の場合は88万円の増税(※)となります。
(※)800万円の場合の税率を20%、2,500万円の場合の税率を40%とした場合。

「給与所得控除」に関しては、下記の記事をご覧ください
今話題の『給与所得控除』の見直し。そもそも何それ?の方へのブログ

 

この改正で減税になるのは…

結論から申しますと「サラリーマンではなく、個人で事業をやっている方」です。
※12/14公表の2018年度税制改正大綱により「サラリーマンではなく、個人で事業をやっている方で、①申請して、会計データをデジタルで保存する、または②期限までにe-Taxで確定申告をする方」になりました。(12/18加筆)

つまり、今回の改正案で減額が予定されているものは、「”給与”所得控除」なので、個人事業主や不動産事業など、給料による収入がない方にとってこの増税となる「給与所得控除」の減額は影響は受けず、減税となる「基礎控除」の増額のみ影響することとなります。

なお、「基礎控除」はサラリーマンであろうと個人事業主であろうと、全ての人の収入から一律に差し引くことが出来るものです。

 

今後こういった流れは加速していく

今回の改正案により、増税される人と減税される人が出てきますが、トータルで見ると増税額による税収の方が圧倒的に多くなるでしょう。

現在、そして今後の日本の財政状態を考えると、サラリーマンの方を中心としたこういった増税は、今後加速していくと思われます。

サラリーマンの方は、社会保険も年末調整も全て会社が行ってくれるため、徴収する側は取りやすい環境にあります。

個人事業主の場合は、健康保険も所得税も自分で納めるためことになるため、 ”支払う痛み” をモロに感じます。

不思議と納める金額が同じでも、 ”天引きされる” のと ”自分で納める” のとでは痛みが異なるものです。

税金や社会保障に関する今後の流れに身を流されないためには、特にサラリーマンの方はこういった改正の目的と仕組みを理解することが必要となっていくでしょう。

 

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【編集後記】
先週末、納会旅行として長崎県に行ってきました。

大変失礼なのですが、実際に行くまではそこまで長崎に関する知識もなく、思い浮かぶのは”ちゃんぽん”や”ハウステンボス”くらい…。

しかし、いざ訪れて見ると、一時は日本の最先端の文化や物資が集っていた場所でもあり、まさにあらゆる文化が融合した”ちゃんぽん”のような、非常に活気溢れる楽しい街でした。

短期間ではありましたが、平和祈念像・長崎原爆資料館・グラバー園・大浦天主堂・長崎孔子廟・長崎歴史文化会館・稲佐山・軍艦島・出島・眼鏡橋・松翁軒、と多くの場所を訪れることが出来ました。

鎖国をしていた日本にとって、長崎の港で行われていた海外諸国との貿易は、今では想像出来ない位の活気を生み出していたのでしょう。

明治維新にも非常に影響を与えた、というよりもこうした長崎の発展がなかったら明治維新は起きなかったと言ってもいいでしょう。
(グラバー園内にあるグラバー邸には、西南雄藩の志士たちのための”屋根裏の隠し部屋”もありました)

歴史とは必然、かつ偶然の連続で、過去のあらゆる歴史が全て現代に繋がっている、と改めて感じました。

日本の歴史をつくった長崎県。

個人的に、日本人として訪れるべき場所の一つとなりました。

 

【昨日の心・技・体】
心:読書(ゴーマニズム宣言SPECIAL 大東亜論第三部 明治日本を作った男達 上巻/小林よしのり)
技:なし
体力:@自宅トレ
・インナーマッスル×3セット
・ディップス×3セット

 

 

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この記事を書いた人

1978年9月 茨城県水戸市生まれ、埼玉県春日部市育ち。
東京都渋谷区在住。愛犬は5歳、娘3歳。
趣味は、野球(毎週土曜日・日曜日)、愛犬の散歩。

雇われない・雇わない生き方である「ひとり税理士」として活動しています。

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