冬の到来が近づきつつもまだ暖かさの残る中、11月11日、12日の2日間にわたりマスターズ甲子園の全国大会が開催されました。
例年天気が心配されるこの時期に陽気な天候に恵まれ、野球日和。
春日部東野球部OB、そして埼玉県代表として待ち焦がれた甲子園の土を踏んできました。
※阪神甲子園球場より
熊本商業に勝ち、甲子園初勝利!
マスターズ甲子園の全国大会はトーナメント式ではなく参加校すべて(16チーム)が一試合のみ。
しかも1時間30分という時間制限もあります。
スピーディーに、そしてキビキビ行動しないとあっという間に終わってしまいます。
今大会の対戦相手は熊商こと「熊本県立熊本商業高校」です。
熊商は明治28年に開校、その後春の甲子園に4度、夏の甲子園に3度出場している名門校です。
甲子園という大舞台で名門校と対戦できるなんて非常に光栄なことです。
しかし試合が始まれば勝利に向かって進むのみ。
熊商のスターディングラインナップを見ると22歳を中心とした若手揃い!
私とは一回り以上違いますが、こんなことは埼玉予選でも経験済みのため問題なし!
むしろ燃えます。
各選手が全力でぶつかり合った結果、12対8で勝利することが出来ました!
前回出場した2015年の大会では沖縄の読谷高校に敗れているため、春日部東高校は甲子園初勝利です。
何と言っても春日部東は猛打爆発で20を超える安打で12得点。
予選でも中々出ないヒットヒットの連続は、甲子園に向け準備した先輩方、そして後輩たちの努力の結果でしょう。
私自身は1イニングをゼロに抑えましたが…
今大会、私は先発投手という大変ありがたい起用をして頂きました。
が、肩の調子は近年一番の絶不調。キャッチボールも満足に出来ない状況で本大会を迎える形となりました。
自分の調整の悪さに甲子園のブルペンで何度も涙が出そうになりました…orz
※ブルペンで泣きそうな自分
しかし、せっかく先発投手として任命して頂いたので、一人でも、一球でもマウンドで投げる!
そう息込んでブルペンで投球練習をはじめました。
キャッチボール程度のブルペンでのピッチングを終え試合開始。
もう甲子園で投げるワクワクや緊張より、不安と不甲斐なさでいっぱいでした。
先頭打者の初球、いきなりのデッドボール…。
「やっぱり無理だな…」
※マウンドに立っても泣きそうな自分
事前に満足に投げれないことを監督に伝えていたので、初球デッドボール後、交代かと思いベンチを見ましたが、続投と応援のオーラがビシビシと。続投が決定。
ここで次の打者がキャッチボール程度のボールをひっかけ、まさかの6-4-3のダブルプレー。
好守備にも助けられ、ツーアウトランナー無しになりました。
ここでスイッチが入ったのか、痛みよりもこの一回を投げ切ることに精神と肉体が完全にシフトしました。
普段よりも球速は出ませんでしたが、その後の投球はそれなりのボールで投げることができ、あの痛みの中、よくボールが投げれたなあ、と今も自分でもよく分かりません。
もう一度やれと言われても無理でしょう。
甲子園独特の雰囲気、チームの想い、アドレナリンがそうさせてくれたのかもしれません。
ダメです、と弱気だった自分を予定通り1イニング投げ切らせてくれた監督に大変感謝しております。
もし、初球のデッドボールで降板していたら、一生後悔していたでしょう。
甲子園で140キロを投げる、という目標は達成出来ませんでしたが、そんなちっぽけな目標よりもチームワークで甲子園初勝利をあげられたことが何より嬉しいです。
やはり野球は一人では何にも出来ないんだなあ、と改めて痛感した試合でした。
【2017甲子園成績】
イニング 1回
投球数 11球
被安打 1安打
与四死球 1死球
奪三振 0個
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【編集後記】
プロ野球選手の再雇用をかけた試験(トライアウト)が、11月15日マツダスタジアムで行われました。
2017年の参加者は51人(投手26人、野手25人)でした。
過去に結果を残していても、その後結果を残せなくなれば当たり前のようにクビを切られるプロ野球界。
ドラフトにかかり入団するときはお祭り騒ぎですが、悲しいことに退団するときはあっけないものです。
この再雇用をかけたトライアウトで良い結果を残したからといって、すんなり採用される訳でもなく合格者ゼロの可能性もあり厳しい試験です。
先日、社会人野球全日本選手権で優勝したトヨタ自動車の正捕手である細山田武史選手。
彼もトライアウト経験者の一人です。
大学野球部の後輩でもありますが、彼の大学後の野球歴を見ると、
横浜に入団→戦力外→トライアウト→ソフトバンクに育成入団→戦力外→トヨタ自動車に入社
といった感じ。
現在では、社会人野球を代表する捕手になっています。
プロ野球では結果がすべてなので、打者で言うと、どうしても打率、本塁打、打点、出塁率など、目に見える数値で選手の能力を判断してしまいがちです。
しかし、彼の持ち味はチームを優勝に導く能力なのかもしれません。
特に捕手に関しては、数値に表すことが出来ない価値が数多くあります。
正直、私も20年以上投手をやって様々なチームで投げてきましたが、野球で勝つために一番重要なのは「捕手」であると考えています。
たとえ打率が低く打撃がそうでもない捕手であったとしても、投手の能力を最大限に活かすことが出来、配球・洞察力に優れ、そして、チームの統率力を高めることが出来る捕手であれば、それは、高打率を残す捕手よりチームを勝利に導く可能性は格段に高いと思います。
常に一発勝負である社会人野球では尚更かもしれません。
細山田選手の最大の武器を活かせたチームが、現在のトヨタ自動車なのでしょう。
「花は桜木、男は細山田」
彼の活躍を今後も期待しています。
【週末の心・技・体】
心:読書(からだのしくみと動きがすぐわかる! 筋肉地図/酒井均)
技:なし
体力:マスターズ甲子園 全国大会
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