「急に決まった長期にわたる海外赴任。そこで自宅を賃貸に出そうと思ったけど自分は日本にいないし、特に何もしなくていいのかな〜。」
いやいや、そこはちょっと立ち止まってこのブログを読んでみてください。
※等々力渓谷より
『納税管理人』を定める
5年の海外勤務を命じられたので、空き家になる自宅を賃貸に出そうと思ってるんだけど、何かすることある?
不動産の収入があることにより確定申告が必要になる場合は、納税管理人を決めて「納税管理人の届出書」を税務署に提出する必要があります。
えっ、納税管理人て初めて聞いたけど何それ
納税管理人は日本国内に住所などを持ってる人で、海外赴任者に替わって申告書などの諸手続きを行う人を言います。
そうなんだ。誰でもいいの?
日本国内に住所などがあれば制限は設けられていませんが、お金の管理となりますので信頼できる人が良いでしょう。
親族や税理士、会社に頼むケースが多いです。(法人も可能です)
へー、そうなんだ。とりあえず父親に頼んでみよっかな
ということで、海外転勤などで日本国内に住所がなくなったにも関わらず、不動産収入など申告が必要になる場合は、日本国内に住所を持つ人に申告や納税などを代行してもらう納税管理人を定め、管轄の税務署に『納税管理人の届出書』を提出する必要があります。
なお、申告や納税をする場所(納税地)は、納税者自身の納税地を所轄する税務署になりますので、納税管理人の住所ではなく、その貸付にかかる不動産の所在場所を管轄する税務署となります。
「青色申告」による申告が可能
申告が必要なのは分かったけど、青色なんとかっていうのなかったっけ?
「青色申告」ですね。
所轄税務署長の承認を受けることにより、青色申告による申告をすることができます。
どんな恩恵があるの?
青色申告の承認を受けられれば、
・65万円、若しくは10万円を収入から差し引ける
・赤字を3年間繰り越せる
・家族に給料が出せる
・少額(30万円未満)の資産を全額経費にできる
などがあります。
そうなの?諸経費があって更に65万円差し引いたらマイナスになりそうだし税金は出ないね。ラッキー!
ちょっと待ってください。
くまさんの不動産事業は”事業的規模”と言えないため、差し引ける金額は10万円となります。
具体的には、
- 貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10室以上であること
- 独立家屋の貸付については、おおむね5棟以上であること
のいずれかを満たす規模を「事業的規模」と呼びますので、事業的規模に達しない場合は専従者給与控除が認められず、青色申告特別控除も10万円までに限られることとなっています。
へー。細かいところはよく分からないけど、とりあえず10万円しか引けないんじゃ税金出そうだし、納税管理人を決めて申告しろってことだね。
はい。無念だとは思いますがよろしくおねがいします。
ということで、日本に住所のない海外転勤者が青色申告により申告できるかどうかですが、それは通常の不動産所得の確定申告同様、承認を受ければ可能となります。
なお、その場合に必要となる『青色申告の承認申請書』の提出期限も通常の扱い同様、下記の通りとなります。
▶︎原則
→新たに青色申告の申請をする人は、その年の3月15日まで
▶︎新規開業した場合(その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合)
→業務を開始した日から2か月以内
まとめ
上記の他にも、非居住者の不動産所得に対する源泉徴収の規定も定められています。
非居住者が日本国内にある不動産を賃貸して、日本国内で賃借料を受け取る場合、非居住者等20.42%の税率で源泉徴収された金額が振り込まれることになります。
あらかじめ、収入から所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されるかたちになります。
ただ、個人の方が自己又はその親族の居住のために、非居住者から不動産を借り受けている場合には、その個人の方は、賃借料支払の際源泉徴収をしなくてもよいことになっています。
今回のくまさんのケースで例えると、くまさんの自宅を住居用賃貸として個人に貸しつけた場合は家賃が丸々入金されますが、会社の事務所として貸しつけた場合は家賃から20.42%差し引かれたお金が入金されることになります。
ちなみに源泉徴収されても確定申告で清算されるため、源泉徴収されようとされてまいと最終的な税額は両者とも同じとなります。
自宅のみの貸しつけならそこまで複雑ではありませんが、賃貸用アパートやマンションを複数所有している場合は、事前に専門家にご相談されることをおすすめします。
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【編集後記】
昨日(26日)、2017年プロ野球ドラフト会議が東京都内のホテルで行われました。
今年のドラフトの目玉として注目されていた高校生3名ですが、清宮選手(早実)は日ハムが、中村選手(広陵)は広島が、そして安田選手(履正社)はロッテがそれぞれ交渉権を得ました。
大学野球部の後輩である大竹投手は、ソフトバンクの育成4位で無事指名されました。
ソフトバンクには同じ左腕で大学の先輩でもある和田毅投手という素晴らしいお手本がいるので、彼から多くのことを学び、1日でも早く支配下登録されることを期待しています。
そのほか、個人的に興味深かった選手が、ロッテの育成1位で指名された和田康士朗選手(富山サンダーバーズ)です。
彼は埼玉県の小川高校(埼玉野球的にはいわゆる無名校)出身なのですが、高校時代は野球部に所属せず陸上部で活動していたそうです。
高校の部活動とは別に、埼玉県にある社会人クラブチームである都幾川倶楽部硬式野球団に入団し、その後独立リーグであるBCリーグに入団。そしてプロへと進んだわけです。
都幾川倶楽部硬式野球団と言えば、わたしも全三郷硬式野球部時代によく対戦していたチームなので、何だか懐かしい気持ちが蘇ります。
埼玉のクラブチーム出身者がプロ野球に行くことは滅多に無いため、非常に嬉しく思います。
また、こういった形でもプロ野球を目指せれる時代になっていることは、野球界にとっても非常にプラスになるでしょう。
(将来、Jリーグとプロ野球の両方からスカウトがくる時代がくるかもしれません)
スポーツ界では有能な将来のスター選手の争奪戦が、すでに始まっています。
【昨日の心・技・体】
心:読書(大前研一 敗戦記/大前研一)
技:なし
体力:@自宅トレ
・シャドーピッチング×100球
・インナーマッスル×3セット
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