平成29年度の税制改正で、中小企業と小規模企業に限り「攻めの投資」を支援する税制措置が拡充しました。
設備投資によりGDPを上げ景気回復をアピールしたい…といった政治的思惑はさておき、せっかく中小企業や小規模企業にのみ認められた優遇政策なので、設備投資をお考えの方は適用するかどうか確認をしておきましょう。
※中正紀念堂のど真ん中で開催されたイベント会場より
次の4つをチェックしましょう
次の表は、中小企業庁がまとめた「攻めの投資」です。
設備投資の際に検討すべきものは、以下4つです。
1.経営強化認定
▶︎内容
固定資産税の課税標準が3年間 1/2に軽減される
▶︎特に注意しなくてはいけない事項
対象が限られている
・最低賃金が全国平均未満の地域 → 全ての業種
・最低賃金が全国平均以上の地域 → 労働生産性が全国平均未満の業種
※機械装置については、全国・全業種対象
※労働生産性が全国平均未満」か否かが微妙なラインの業種は最新のデータを確認しておくことが必要です
2.中小企業経営強化税制
▶︎内容
①資本金3,000万円以下→即時償却、若しくは10%の税額控除
②資本金3,000万円超→即時償却、若しくは7%の税額控除
※即時償却すると、取得価額の全額を経費にすることができます。
※即時償却は経費の前倒しになるので、結果、法人税を繰り延べる効果があります
※どちらかの選択適用です。
▶︎特に注意しなくてはいけない事項
①投資する設備が「A類型」と「B類型」のどちらに該当するか
②生産性や収益率が向上することを数字で示せるか
③資本金は3,000万円を超えてないか(超えてたら税額控除は10%ではなく7%に)
④申請してから認定されるまで一ヶ月程度かかる(原則として設備投資は認定後)
3.中小企業投資促進税
▶︎内容
①資本金3,000万円以下→30%の特別償却、若しくは7%の税額控除
※どちらかの選択適用です。
②資本金3,000万円超→30%の特別償却
※特別償却とは通常の減価償却とは別に、取得価額に上記割合を乗じた分を経費にできるものです
※特別償却は経費の前倒しになるので、結果、法人税を繰り延べる効果があります
▶︎特に注意しなくてはいけない事項
①対象となる投資対象が限られている(機械装置、ソフトウェアなど)
②資本金は3,000万円を超えてないか(超えてたら税額控除はない)
4.商業・サービス業 活性化税制
▶︎内容
①資本金3,000万円以下→30%の特別償却、若しくは7%の税額控除
※どちらかの選択適用です。
②資本金3,000万円超→30%の特別償却
※特別償却とは通常の減価償却とは別に、取得価額に上記割合を乗じた分を経費にできるものです
※特別償却は経費の前倒しになるので、結果法人税を繰り延べる効果があります
▶︎特に注意しなくてはいけない事項
①アドバイス機関から、経営改善に関する指導及び助言が必要
②対象となる投資対象が限られている(器具備品、建物附属設備など)
③資本金は3,000万円を超えてないか(超えてたら税額控除はない)
多角的に検討することが必要です
税金を少なくする効果があるからと、何の計画性もなく設備投資をしてしまっては本末転倒です。
あくまで会社の事業計画上設備投資が必要であって、現在の手元現預金や借入状況、設備投資による収益見込み、若しくは生産性向上、など多角的に検討し判断することが重要です。
これらの優遇政策を適用したことによる「損益への影響」や「税金への影響」もしっかりシミュレーションをしておく必要もあるので、顧問の税理士がいる方はこういうときこそ税理士をどんどん活用していきましょう。
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【編集後記】
ヤンキースの田中将大投手が、ここ2試合で苦戦を強いられています。
15日のアストロズ戦では1回2/3を4被弾8失点でKO、日本時間21日のレイズ戦で4回途中を3被弾6失点でKOされています。
ここ2試合の投球を見る限り、ストレートとスライダーはともに回転数が減少しており、見た目にもあまりキレのないボールでした。
田中投手得意のスピリットの落ちもあまり鋭くなかったため、なかなか空振りやファールが取れず、カウントを有利に進められてないようです。
そのため、ボールを真ん中に集めてしまい長打になるケースが多くなっています。
メジャーの中ではスピードが速い方ではないため、コントロールやキレがなくなるとたちまち打ち込まれてしまいます。
元々田中投手は右膝が早く内側に折れがちで、左肩が開きやすい投球フォームだったのですが、微妙ではありますがその悪いクセが出てきてしまっているのかもしれません。
おそらく相当な負けず嫌いな性格だと思うので、打たれれば打たれるほど無意識に力んでしまっているのでしょう。
しかし、メジャーの一流投手はそのあたりの対応がとても上手いです。
例えばバーランダー(タイガース)、アリエッタ(カブス)、レスター(カブス)などは、初回に大量点を取られても眉間にシワをよせることなくケロっとしていて、そのあとも淡々と自分のボールを投げ込みます。
これはメジャーで一流投手になるための条件でもあり、通らざるを得ない壁なのでしょう。
次戦は29日、ニューヨーク本拠地で行われるロイヤルズ戦です。
これまた強力打線を要するチームですが、首脳陣もファンも一皮むけた田中投手を楽しみにしているでしょう。
陰ながら応援してます。
【昨日の心・技・体】
心:読書(中国との付き合い方はベトナムに学べ/中村繁夫)
技:米国公認会計士の試験勉強
体:腹筋トレー二ング×2セット