会社を設立しようと本屋さんへ行くとたくさんの起業本があり、どれにすればいいか悩んでしまいます。
ただ実際に会社経営をされている方の著作本以外は、会社設立にあたっての実務的な取扱いが記載されているだけなので、概ね内容は同じでしょう。
ここでは、それらの実務本には記載されない会社設立にあたってのちょっとして注意点(頭に入れて置きたい点)を3つ考えてみました。
※世田谷区の等々力渓谷より
当初の経営資金はどれくらい必要?
ひとりで会社を設立したあとにまず1番お金がかかるのは、ご自身の生活費です。
会社設立費用や税金(赤字の場合は年7万円)を除けば、設立当初の経営資金はそうかかりません。
この生活費を超える利益を出して初めて、手元にお金が残るようになります。
例えば一ヶ月にかかる生活費が25万円で、経営が軌道に乗る(売上が出る)のが半年後だとすると、当初必要な経営資金は最低150万円になります。
半年後までに軌道に乗せないと、経営資金が生活費だけで底をついてしまうので、経営資金の他に貯蓄等がなければ、経営以前に日常生活事態が出来なくなってしまいます。
広告費や旅費などの事業経費が必要な業種もありますので、それらを考慮するとその分も経営資金に上乗せする必要があります。
スモールビジネスを始めるにあたっては、極力固定的に要する費用(家賃・レンタル料・HP保守料など)はかけたくないところです。
事業経費が少ないほど、軌道に乗るまでの猶予期間が確保できるためです。
ご自身の生活費を把握しどれくらいの期間で軌道に乗せることができるか、そこから経営資金を考えて、金融機関の融資が必要なのか、それとも自己資金だけでやっていけそうなのか、をまず考えることが必要となります。
資本金はいくら位にしたらいい?
現在、株式会社は資本金1円でも設立することが出来ます。
しかし、実際に資本金1円で会社を設立する人は、そういないでしょう。
資本金1円の会社ですと対外的な信用も低いですし、そのあと増資しようをすると登記費用がかかってしまったりと、諸手続きもかなり面倒です。
一つの基準としては資本金1,000万円という金額が目安になります。
会社設立から2年間は、資本金が1,000万円以上だと消費税の課税対象になるからです。
そのことを考慮すると、資本金は多くて999万円とし、当初資金がもっと必要になるようであれば経営者が会社に貸し付ける、といった形をとった方が良いでしょう。
また、2人以上で会社を作る際には、そのうちの一人が資本金の全額を出資する形をとった方が良いと思います。
仲間内複数人で資本金を出し合ったのち、もし誰かが途中で会社を抜けるとなった際に資本金を返す返さない、と揉めることがよくあるからです。
経営活動に多くの影響を与える可能性もありますので、資本金の額や出資者は安易に決めず、慎重に考えるようにしましょう。
本店はどこにすればいい?
会社設立と同時に事務所を借りるとなると、その経費がもたらす会社の負担はかなり大きいものとなります。
どうしても事務所を構えなくてはならない仕事でないならば、わざわざ一等地に事務所を借りる必要はないでしょう。
現在は、都内を中心としてレンタルオフィスやシェアオフィスなどの、事務所まるまる一部屋を借りないくても、必要最低限のインフラを整えた働く場が出てきています。
会社の本店として登記できるレンタルオフィスも多くあるので、東京の都心部を本店としたい時にはそれらを有効活用できますが、レンタルオフィスを本店とするときには注意も必要となります。
会社を設立してから、しばらくその場所を拠点として活動し続けるのであれば良いのですが、軌道に乗ったら引っ越そうとしている場合は、その引っ越しの都度、本店所在地の変更が必要になります。
こちらも資本金同様、変更の都度登記が必要になります。
また、本店所在地の変更は、税務署や都税だけでなく、社会保険や労働保険、金融機関への連絡も必要となります。
その他に考えられる本店を決める選択肢としては、実家や自宅を本店とすることです。
ただし、公的書類など全て本店に届くことになるので、実家が遠方の場合は取りに帰ったり郵送してもらうといった手間が生じてしまいます。
どうしても自宅以外に作業場が必要なのであれば、自宅を本店として別途レンタルオフィスを借りる、といったことも考えられます。
いずれにしても、名刺に書かれる住所がかっこいいから、と安易に本店を決めることはしないで、ご自身の事業活動のスタイルや経営資金を考慮した上で、本店所在地は慎重に決めなくてはなりません。
まとめ
テレビに出ているような見た目や行動が派手な経営者は、のちのち消えていく人が多いように思います。
そのような見た目や生活に憧れて会社を設立しても、同じような運命を辿ってしまうことになるでしょう。
経営はそれがゴールではないからです。
お客様のお役に立ち、そして価値を提供し続けるのが経営です。
そのためにも、小さな会社こそ初心を忘れず小さなことを地道にコツコツやっていく必要があります。
こういう経営者が今後も増えて行けば、日本経済の将来も希望の光で溢れるでしょう。
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【編集後記】
アメリカのFBI(連邦捜査局)長官であるジェームズ・コミー氏が、現地時間の5月9日にトランプ大統領によりFBI長官を解任されました。
FBI長官の任期は10年(捜査の中立性を保つため、任期が長い)で、過去に解任された長官は1908年の創設以来1人しかいないようです。
現在アメリカ国内では、政治的思惑が原因(ロシア問題の捜査)ではないか、と騒がれています。
トランプ大統領の本音がそうであろうとなかろうと、自身を捜査している捜査機関の長を辞めさせるというのは、かなり印象が悪いです。
解任のタイミングも悪すぎですし…。
(1週間ほど前にコミー氏がトランプ大統領とロシアの捜査を継続中と断言したため)
おそらくホワイトハウスのごくごく近しい人以外は、この解任劇を知らなかったのかもしれません。知ってたら全力で止めます。
トランプ大統領は国民に対して、この解任に関する経緯を細かく、かつ論理的に説明をする必要があります。
たしかに、現在転換期を迎えているアメリカ経済を抜本的に改革するためには、トランプ大統領のような独裁的なリーダーが必要かもしれません。
ただし、その独裁は一つ一つの行動に対して、しっかりとした理由がなければなりませんし、その行動の説明と答えを常に持っていなければなりません。
トランプ大統領のアメリカ合衆国に対する信念は理解できますが、その信念が国民に届いていなければ、それはただのエゴになってしまいます。
今回の長官解任劇、マスコミの格好のネタになっていますが、解任理由がこれ以上トランプ大統領の口から出てこないとなると、アメリカ国民の懐疑心は、より深まってしまうでしょう。
【昨日の心・技・体】
心:読書(金持ちファミリーの「相続税」対策ここを見逃すな!/見田村元宣)
技:米国公認会計士の試験勉強
体:@ティップ.クロス TOKYO 渋谷
・パワーラッシュ+F.method
・前腕トレーニング×2セット