月次の決算書や試算表などの会計情報を渡されたとき、数字の説明だけで終わってないでしょうか?
日々の経営努力が積み重ねられたこれらの資料、何に注意して見ればよいのか、経営者に必要な目線をまとめてみました。
※北本総合公園 野球場より
決算書を「俯瞰」して見る
会計の知識を一から身につけるのは、非常に大変な作業です。
経営者が一から理解しようと「簿記」から始めたとしても、途中で挫折してしまうケースが多いでしょう。
たしかに、簿記の最低限の仕組みは知っておくに越したことはありません。
しかし経営者が集中してやるべきことは、細かい数字を積み上げるために簿記の知識を詰め込むことではなく、完成した決算書や試算表を俯瞰して見ることができる力を身につけることです。
これは数字が得意だからできる、苦手だからできないとかではなく、決算書全体を眺めたときに、おかしな数字や割合に気づく力です。
経営者は本来そういった気づく能力を持った方が多いので、一度その力を身につけてしまえば、最低限の簿記の知識で重要な経営数値などが十分理解できることに気づくでしょう。
比較してみるクセを身につける
現在の数字だけを見せられても、それが大きいのか小さいのか、会社にとって有利なものなのか削減すべきものなのかは、一瞬では判断できません。
重要なのは現在の数字と過去の数字を同じ時期で比較して見ることです。
「前期の上半期と当期の上半期」、「前期の5月と当期の5月」など、同じ時期と比較してどの数字がどれくらい変動しているのか、またどうしてそうなったのかを突き詰めていく必要があります。
数字が著しく変動していた場合でも、それが不可抗力によるものなのか、自社の問題なのか、など、過去の数字を会社の将来に生かさなければなりません。
また、比較して見るときにパーセンテージ(%)表示で見ていくと、視覚的にもより瞬時に判断がつきやすくなります。
粗利率は変動しているか、売上高に対する販売管理費の割合は変動したかなど、細かい枝を見て行く前に木を見てから枝を見ていくクセを身につけましょう。
「粗利率」と「営業利益」は特に注視する
決算書を俯瞰して見るときに、特に注視して欲しいのは「粗利率」です。
業種によってこの「粗利率」は異なりますが、粗利率があまりに低いビジネスを行っていると、ヒトへの投資やモノへの投資が難しくなります。
「粗利率」に関しては、過去2年ではなく過去5年〜10年の推移を比較して、順調にきているのか、それとも改善が必要なのか、を都度重点的に確認する必要があります。
またそれと同じくらい注視していただきたいものが「営業利益」です。
「営業利益」とは粗利益から販売管理費を差し引いたものになりますが、中小企業の場合、通常は人件費・地代家賃・広告宣伝費が販売管理費の多くを占めるケースが多いでしょう。
人件費(給与・賞与・法定福利費)が粗利益の減少とは反比例して増加していないか、地代や広告宣伝費は粗利益に対して妥当な金額であるのか、など日常では分かりにくい、これらの累積金額を定期的に確認しておくことも必要です。
まとめ
重要なのは、会社の数字の変化に対して「なぜこうなったのか?」といち早く察知し、早急に対応することで問題を早期に解決し、そしてそれを将来の会社の成長に繋げていくことです。
つい細かい数字に目がいってしまう経営者は、こういった「俯瞰する力」で経営に活かせる決算書や試算表の見方を身につけていきましょう。
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【編集後記】
先週、5月末に予定されてるマスターズ甲子園の関東大会に向けて、埼玉選抜チームの合同練習がありました。
※埼玉県は各校の選抜チームで参戦
毎年行われているマスターズ甲子園の埼玉予選では好敵手となる各高校の中心選手が、一堂に集いました。
ボール回し→シートノック→実戦形式の練習となりましたが、いずれもレベルが高くシートノックでは久々に緊張しました…。
(ノックを打ってくださった方が浦学OBの方だったというのもありましたが…(^_^;)
高いレベルの選手と一緒にプレーをすると、まだまだ技術不足であることを痛感し、より精進する必要があると再認識させられ、とても良い刺激になります。
また、大会を運営されている多くの関係者のおかげで、いつも気持ちよくプレーできることに、改めて感謝の念を抱いております。
大会当日、どの場面で投げるかはまだ分かりませんが、与えられた場面に応じて、しっかり自分の力を出し切れるよう調整し本番を迎えたいと思います。
【昨日の心・技・体】
心:読書(仕事に必要なことはすべて映画で学べる/押井守)
技:なし
体:腹筋トレーニング×2セット
前腕トレーニング×2セット